比較的よくある皮膚疾患で、約20%の人は一生のうちに一度は経験するといわれる「じんましん(蕁麻疹)」。痒みが続くと生活の質QOLにも影響を与えます。
水素吸入による改善のご質問にお答えします。

Q.じんましんが出ているとき、水素吸入はどのようにしたら良いのでしょうか?

40代女性
数日前から身体が痒くなり、診てもらったらじんましんとのことでした。
仕事がとても忙しく、自分で気付かぬうちに身体にも負担が掛かっていたのかもしれません。
水素吸入をすると血流が良くなるので、痒みがひどくなるのか?こんな時こそたくさん吸入した方が良いのか?
じんましんが出ているときは、水素吸入はどのようにしたら良いのでしょうか?

A.山口醫院 山口貴也院長

皮膚の表面近くの血管周りには、免疫反応にかかわる肥満細胞があります。
この細胞が何らかの刺激を受けてヒスタミンを出すことによって、血液の成分である血漿(けっしょう)が漏れて皮膚のむくみを作ることで、皮膚の一部が突然腫れたり強い痒みを伴う蕁麻疹(じんましん)の起きることがあります。
大抵の場合は、数十分から1日以内には治まる急性蕁麻疹ですが、1ヶ月から数年に渡って症状が続く慢性蕁麻疹と呼ばれるタイプもあります。
ヒスタミンの放出を引き起こす刺激の原因には、魚介類、卵・乳製品、肉類、穀類・野菜などの食物アレルギー、人工色素、防腐剤などの食品添加物、抗生物質、非ステロイド性消炎鎮痛薬、せき止めなどの薬剤、下着などによる摩擦や圧迫、こすれ、寒冷・温熱刺激、日光などの物理的な刺激、入浴や運動による発汗の他、疲労やストレスも引き金となります。

治療法は、特定の食品や刺激で起こる場合は、それを避けるようにします。
蕁麻疹の原因は、その多くが特定されないことが多いのですが、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服が有効とされています。

水素吸入をすることで、血管拡張が起こり血流がよくなります。
身体がぽかぽかして汗をかいたり、毛細血管まで血液が行き渡る際に手足や内臓がチリチリとした体感をする方もいます。
体温の上昇による発汗が原因の蕁麻疹の場合は少し痒みの出る場合もありますが、十分な水素が身体に行き渡ると水素の効果で改善が期待できます。
吸入時間をいつもより長めにして、毎日の水素吸入をお薦めします。

水素は、炎症を鎮静する、免疫を調整することがわかっています。
このことから、蕁麻疹の改善に効果が期待できるのです。
これは、水素が血液中に溶け込んで体中に循環して細胞膜に浸透し、悪玉活性酸素と結びついて体外に排出する、過酸化脂質による酸化のドミノを抑制する、細胞にエネルギーを与えるミトコンドリアの機能をあげることによります。
また、Hyderexの高濃度水素吸入の前後で脳波を測定したところ、70.4%にθ波の出現が認められました。このように、リラックス効果のあることも実証されています。

疲労やストレスの軽減にも、水素吸入は効果的です。
どうぞお大事に。