推定患者数は6~7万人とされ、20~40歳代の女性に多く発症するといわれる【全身性エリマトーデス(膠原病)】。通院しても改善しない症状にお困りの患者さんから、水素吸入の効果についてご質問がありました。

Q.膠原病の改善に対して水素はどのような効果があるのでしょうか?

30代女性
全身性エリテマトーデス「膠原病」で、病院に通ってもなかなか改善しません。友人から勧められた水素吸入をぜひ試してみたいのですが、膠原病の改善に対して水素はどのような効果があるのでしょうか?

A.山口醫院 山口貴也院長

膠原病は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、乾燥症候群(シェーグレン症候群)などの30以上の病気の総称です。
共通する症状として、関節の腫れやこわばり、痛みがありますが、病気が進行すると臓器にも障害が現れます。
臓器の障害は、細胞同士の結合組織「膠原繊維(コラーゲン)」に異常が現れることにより起こるもので、これが膠原病の名前の由来です。
結合組織は全身に存在しているので、関節や臓器などどこでも症状の現れる可能性があります。
全身性エリトマトーデスは、免疫異常が元で発病する炎症疾患です。
人体には異物である細菌やウイルスを除去する免疫機能がありますが、膠原病ではこの機能に異常が起こり、自分の身体を異物として認識して排除しようとする自己免疫反応が起きます。
この原因は、環境汚染、食事、生活習慣から起こる可能性があるといわれています。
現在の治療の中心は薬物療法で、炎症を軽減させたり自己免疫反応を抑えたりして関節や臓器の障害を防ぐ目的で行われますが、対処療法であるため根本から免疫を改善させる治療方法ではないように思えます。
水素は一番小さな分子であるため、体中に広がることができる免疫機能に関与しているミトコンドリアが活性化して免疫機能の改善が期待できることから、これまで水素療法で膠原病が改善された方が多く見受けられます。
ただし水素は、水素ガス吸入であることが肝要です。
リウマチをはじめとするあらゆる膠原病は、東洋医学的には体内に水が溜まる水毒という状態の方も多いので、水の飲み過ぎにはお気を付けください。
また、膠原病の原因である膠原繊維が傷むのは、過労、睡眠不足、身体の冷えともいわれています。
過労から生まれる悪玉活性酸素を除去する交感神経と、副交感神経の切り替え異常から起こる睡眠不足は、水素によるミトコンドリアの活性化で改善できる、血流がよくなり身体の冷えが改善されることがわかっています。
膠原病の改善に、高濃度の水素ガス吸入は効果が期待できます。どうぞお大事に。