水素吸入 Q&A【筋委縮性側索硬化症(ALS)】

目次

筋萎縮性側索硬化症(ALS)とはどんな病気?

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、手足・のど・舌、呼吸に関わる筋肉がだんだんやせて力が入らなくなっていく進行性の神経の病気です。筋肉そのものではなく、筋肉を動かす「運動ニューロン」とよばれる神経が障害されることで、脳からの「動け」という信号が伝わりにくくなることが原因と考えられています。

一方で、体の触覚・痛覚などの感覚、視力・聴力、内臓の働きなどは保たれることが多く、「身体は動かしにくいのに、意識ははっきりしている」という特徴があります。日本では、10万人あたり約10人がこの病気を持ち、毎年10万人あたり約2人が新たに発症するとされています。発症年齢は60〜70歳代が多く、男性にやや多い傾向があります。

原因はまだ完全には解明されていませんが、一部に家族性(遺伝性)のALSがあり、遺伝子の変化と、酸化ストレス・異常タンパク質の蓄積・炎症などが複雑に関与していると考えられています。

治療としては、病気の進行を少しでも遅らせることを目的とした薬(リルゾール、エダラボン、高用量メコバラミンなど)と、リハビリテーション、呼吸のサポート、栄養管理、痛みやこわばりなどの症状を和らげる対症療法を組み合わせて行うのが現在の標準的な方針です。

進行性の難病である【筋委縮性側索硬化症】(ALS)を患いながら、ご自身だけでなくお母さま、ご友人の体調を気遣い、水素ガス吸入のサロンを開きたいとご希望される病に前向きな女性からのご質問にお答えします。

Q.「筋委縮性側索硬化症 きんいしゅくせいそくさくこうかしょう(ALS)」ですが、水素ガス吸入はどのような効果がありますか?

 

【40代女性】

ALSを患っています。もし自分に良いなら、母にも吸入させてあげたいと思っています。 友人にも体調の悪い方がいるので、吸入をさせてあげられるようにサロンを開こうと考えています。 私の病気に、水素ガス吸入はどのような効果がありますか?

 

A.山口醫院 山口貴也院長

 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、筋肉を動かす運動ニューロンが障がいを受けることで脳からの指令が伝わらなくなり、手足、のど、舌の筋肉がだんだん痩せて力がなくなっていく指定難病の疾患です。

一方、身体の感覚、視力や聴力、内臓機能などは保たれることが普通です。 原因は明確になっていませんが、神経の老化と関連があるといわれています。

興奮性アミノ酸の代謝異常、フリーラジカル(活性酸素)の関与など様々な学説があります。 治療法として、ALSの進行を遅らせる薬の服用、対症療法として筋肉や関節の痛みに対する毎日のリハビリテーション、不安から起こる不眠に対して睡眠剤や安定剤の処方がされます。

 

水素による効果

水素は、血液中に溶け込んで体中に循環して細胞膜に浸透し、悪玉活性酸素の除去、過酸化脂質による酸化のドミノを抑制する、細胞にエネルギーを与えるミトコンドリアの機能をあげる、炎症を鎮静する、免疫を調整することがわかっています。

脳細胞の酸化を防ぎ、免疫機能を低下させることなく体の酸化を防ぐことができます。 細胞膜の酸化は、様々な疾病の要因となっています。 水素を摂取することで老化を遅らせ様々な疾病や症状を軽減できるのは、こういった働きによるものです。

ALSは、進行性の疾病です。フリーラジカルの除去、痛みの緩和に、高濃度の水素ガス吸入が効果を持つ可能性があります。

ご友人のためにとサロン開設をお考えとのこと。 前向きな姿勢は、精神的な活力に繋がりますね。 応援しています。

山口醫院 山口貴也院長

監修:山口貴也(山口醫院 院長)

内科・消化器科専門医。高濃度水素吸入療法の導入や生活習慣病への予防医療に力を入れている。病気の原因と改善策をわかりやすく解説する地域密着型のかかりつけ医。

 

ALS治療の研究は少しずつ進んでいます(2025年時点)

ALSは、まだ根本的に治す治療法が確立されていない難病ですが、近年は少しずつ治療の選択肢が増えてきています。

日本では、病気の進行を緩やかにすることを目的として、現在は次の4剤が使用できます。

●リルゾール(内服薬)

●エダラボン(フリーラジカル〈活性酸素〉を抑える薬。点滴静注薬に加え、内用懸濁液〔経口剤〕も利用可能)

●高用量メコバラミン(商品名:ロゼバラミン)
2024年に日本で承認された、週2回の筋肉注射で投与する薬です。発症早期のALS患者さんで、機能障害の進行を遅らせる効果が示され、2024年11月頃から使用可能になりました。

●トフェルセン(商品名:Qalsody)
SOD1遺伝子に変異を有する成人のALS患者さんを対象とした薬で、髄腔内投与(腰から針を入れて脊髄の周りに薬を入れる方法)で投与されます。2025年3月頃から国内で使用できるようになりました。

これらはいずれも、筋力や呼吸機能を元通りに回復させる薬ではなく、「生存期間の延長」や「機能障害の進行を遅らせる」ことを目指した治療であり、根本的な治癒薬ではない点にも注意が必要です。

また、患者さん自身の骨髄から取り出した細胞(間葉系幹細胞)を用いた治験や、iPS細胞を利用して見つかった薬の候補(ロピニロールなど)を検証する臨床試験も進められています。こうした研究によって、「病気の進行を少しでも遅らせる」「生活の質(QOL)を保つ」ことを目指した治療の開発が続けられています。

ただし、開発中の薬や治療法は、効果だけでなく安全性も十分に確認されていない段階です。ガイドラインでも、臨床試験・治験以外で未承認薬を使うことは推奨されていません。新しい情報が気になる場合は、主治医や神経内科の専門医に相談し、信頼できる公的機関や患者会の情報を参考にすることが大切です。

※ここで紹介している内容は2025年11月時点の情報です。治療法や薬剤の状況は今後変更される可能性があります。

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