中高年の目の障害で最も多いといわれる「飛蚊症(ひぶんしょう)」は、歳のせいだからと諦めている方も多いようです。

水素吸入で改善された方の質問にお答えします。

Q. 水素吸入は、目にどのような作用があるのか教えてください

60代女性
いつの頃からか、黒い虫のようなものがいくつも見えるようになりました。
とても鬱陶しく困っていたところ、友達から水素吸入の体験に誘われてサロンに通うようになりました。
1か月ほど経つと見える虫の数が少なくなり、乾燥気味だった瞳も涙で潤うようになりました。
薬の服用などしていませんので、水素の効果ではないかと思っています。
水素吸入は、目にどのような作用があるのか教えてください。

A. 山口醫院 山口貴也院長

中高年に起こりやすい目の障害の中で、最も多くみられるのが「飛蚊症(ひぶんしょう)」です。
目の前を糸くずのような影が動くように感じたり、蚊が飛んでいるように見えることから飛蚊症と呼ばれています。
加齢に伴い、眼球の中の硝子体がゼリー状から液体状に変化することで、硝子体が収縮して網膜から剥がれます。
剥がれた硝子体の影が網膜に映ることで、小さな虫や糸くずのように見えるのです。後部硝子体はく離によって起こる飛蚊症は、誰にでもみられる老化現象のひとつといえます。
また、硝子体の周囲の出血や炎症性物質が硝子体内に入ってきたもの、遺伝性の硝子体の病気、全身の病気によって起こるものもあります。
飛蚊症は、ある日突然に起こります。
目の前を小さな虫や糸くずのような黒っぽい影が動くように感じたら、まず目の検査を受け、病気の可能性を確認しましょう。
ほとんどの飛蚊症は、加齢に伴うもので治療の必要はありません。
ただし、(社)日本眼科医会によれば、後部硝子体はく離を起こした人の6~19%に、網膜裂孔がみられます。
そのまま放置して硝子体が網膜の裂け目から入り込むと、網膜はく離へと進む可能性があるので注意が必要です。
老化の原因は、悪玉活性酸素による体の酸化です。
私たちの腸の働きのひとつに、水素を作りだし悪玉活性酸素を除去する能力があります。
ところが、加齢や疲労により、悪玉活性酸素の量が処理能力を超えてしまうと、老化が進みます。
吸入により体内に取り込まれた水素ガスは、血液中に溶け込んで体中に循環して細胞膜に浸透し、悪玉活性酸素と結びついて体外に排出する、過酸化脂質による酸化のドミノを抑制する、
細胞にエネルギーを与えるミトコンドリアの機能をあげる、炎症を鎮静する、免疫を調整することがわかっています。
つまり、老化を予防し、細胞を若返らせる効果が期待できます。
また、水素吸入することで、毛細血管の隅々にまで血管拡張が起こり血流がよくなります。
涙の成分は、毛細血管から得た血液が原料です。そのため、目の乾燥が改善されたと思われます。
水素吸入をしても副作用の心配はまったくありません。
これからも安心して高濃度の水素吸入を続けることをお勧めします。
どうぞお大事に。